ピンポンピンポン、とほとんど続けて玄関のチャイムが2回鳴った。
この慣らし方には覚えがある。
数ヶ月ごとにやってくる、どこぞの業者だ。
でも万が一違っていたら……と思い、インターホンに出る。
「こんにちは〜!○○ですけど、××なんでお願いしま〜す!」
はああああ。
やっぱりそうだ。
○○とか××が早口言葉のようになっていて、まともに聞き取れない所まで一緒だ。
とりあえず、○○が検索で引っかかってくる所かを知りたかったので聞き返す事にした。
「はあ?どちら様?」
好みのオンライン小説を読んでいたのを邪魔された不機嫌さがそのままインターホン越しに伝わったのか、相手は少しだけ丁寧にな口調になった。
「お忙しい所すみません。○○です。××なんでお願いします」
他の所は聞き取れるのに、○○と××だけは相変わらず早口のままだ。
下らないマニュアルそのままのような応対に、さらに私の機嫌は急降下する。
「はぁっ? 何ですって?」
ほとんど怒鳴るような口調の私に、さすがにまずいと思ったのか、
「お忙しい所すみませんでした〜」
と言うが早いか、隣のチャイムを押すためにテレビインターホンの前から姿を消した。

あの、表札の所にでもこっそり業者の人だけが分かる「要注意」マークでも付けといてくれて構わないから、最初からチャイムを押さないでくれませんか?
途中で逃げるような根性なしを相手にするのもいい加減に飽きましたよ。
 
 
 
 
 
この話は全て(いや8割くらい?)フィクションです。
えぇ、フィクションだと信じて下さい。
特にオフで付き合いのある人はそう思って下さい、お願いします。

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