我が家にはテレビが3台ある。
夫が結婚前から使っている古いテレビと、結婚後に夫が「寝室用に」と勝手に買ってきて私がぶちきれた(しかし現在はほとんど私専用になっている、ゴメン夫よ)いわくつきのテレビと、「お風呂テレビ」という名前を持ちながらもほとんど風呂では使われない旅行用の携帯テレビである。
どれもBSを見る事はできないが、ビデオテープの再生不可能となったビデオレコーダー(BSチューナ内蔵)を使えばBSを見る事はとりあえず不可能ではない。
ちなみにDVDレコーダーなどという洒落たものは我が家には存在しない。

日曜夜8時の「義経」は夫婦共に楽しみにしている番組である。
特に昨日は「壇ノ浦」、見逃すわけにはいかない。
だがこの日は、夫の用事が長引きそうだったので、私達は携帯テレビを車に積んで出かけた。
幸い夫の用事も早く終わり、車の中で「義経」を楽しんでいたのだけど……、

8時30分過ぎ。
義経「なりませぬ、なりませ」

ぶち。

電池が切れた。

なぜなの、なぜなのよっ!
今までなら2時間くらいちゃんと映っていたのに。
ちゃんと充電したばかりの電池だったのに。
なんで、よりにもよってこんな一番いいシーンで切れるんだっ!!

……夫婦共にきれていても仕方ない。
さっさと車を動かし、帰宅。
他の用事は全て終えて、11時からのBS2(設定が面倒なのでほとんど見た事が無い)に備える事にした。
夜11時。
外の雨は強くなってきたようだが、そんな事はお構いなし、「義経」を楽しむ事にした。

11時35分過ぎ。
知盛「みるべきほどものは」の台詞の後、無音となる。
11時40分過ぎ。
時子の笑みが乱れて映るようになる。
その後、ほとんど意味不明。(涙

前に「BS放送は見てませんか?」とNHKの訪問があった時に、見てはいないけれど見る事の出来る環境だったため少々戸惑いつつも「見てません」と答えた。
今度また同じ訪問が来たら、

「少々の雨ごときで画面の乱れるBSなんか誰が見るものか!
あ?見る事の出来る環境が問題?
それなら、この壊れたビデオ持って帰ってよ!」

と返事をしてしまいそうな自分が怖い……。

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